東京通信機工業株式会社

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Uスリット(接続)とは?

Uスリット接続とは、ケーブルの心線径に合わせたU字型の金属スリットに、ケーブルの被覆を剥かないまま押し込み、余長の切断までをワンタッチで行う結線方式を指す。ケーブルの被覆は、ケーブルが金属スリットに押し込まれる際に自動的に裂かれ、心線が金属スリットに接触し、導通する。撤去に際しても、ケーブルを引っ掛けて外すのみである。工具は、専用工具(Uスリット接続工具)を用いる。
この接続方式は、ケーブルの接続工程のシンプル化を図る事ができる。従来のハンダやラッピング方式とは異なり、ケーブルの結線作業時間が大幅に短縮でき、ハンダ屑・アンラップ心線屑等による故障誘発を押さえる事ができる。
また、Uスリットはケーブルの結線・撤去を200回以上行える耐久性を備える。
NTTでは平成元年以降、局内の端子板や試験弾器・保安器はUスリット接続に切り替わっている。

端子板とは?

通信線の接続変更や責任分界点を目的とした接続点。
機械的機能は特になく、片側から入ったケーブルをもう片側へそのまま接続する。
広い意味で試験弾器・保安器等、接続点以外の機能を有するものも端子板と称する事がある。

試験弾器(切り分け端子板)とは?

端子板と同じく通信線の接続変更や責任分界点を目的とした接続点であるが、一時的に回線を切り分けるための接点(弾器部)を備える。この弾器部に樹脂製の切片形状の断線片を挿入する事により、回線を切り分け、故障箇所の特定を行う事が主な目的。
また、使用していない回線に断線片を入れておく使い方や、回線の試験・モニタをこの弾器部で行う事ができる。

保安器(アレスタ)とは?

避雷素子(サージ防護素子)を搭載し、雷サージや送電線と通信線が接触する混触から、通信機器や人体を保護する機能を有する。一般的には端子板や試験弾器に保安機能を付加した形態の物が多い。
避雷素子の種類は、バリスタ・避雷管(ガスアレスタ)・サイリスタ(PNPN素子)などがあり、 当社のアレスタは主にサイリスタを使用している。バリスタ・避雷管の保安器と比べ、動作速度が速く、動作電圧のバラツキが少ない事がメリットである。

アレスタの選定方法

通信機器の仕様により、適切なアレスタは異なる。
通信機器と保安器のアンマッチがある場合、意図しない通信回線の動作がおこる事があるので注意が必要である。
アレスタを選定する際には、以下の項目から選定する。

1.通信線に印加される電圧の最大値から、せん頭オフ電圧を選定する。
最大電圧値 < せん頭オフ電圧
一部PBXでは発着信衝突防止のため、電池に呼び出し信号を重畳させる事があるので注意が必要である。
せん頭オフ電圧より、最大電圧値が大きいと意図しない動作が発生する。

2.通信線に印加される電流の最大値から、保持電流を選定する。
最大電流値 < 保持電流
一般電話に限った場合には、15mAから50mAを標準とし、最大値は130mAである。
保持電流より、最大電流値が大きいと動作した保安素子が自動復旧できない。

3.想定されるサージ電流波形から、サージ耐量を選定する。
想定されるサージ < サージ耐量
サージ耐量より、サージが大きいと保安素子が破壊される。